精密和訳 Mardy Bum – Arctic Monkeys
付き合いが長くなると、何気ないことでケンカしてしまうことはありませんか?
目次
どんな曲?
2006年にリリースされた、イギリスのバンド Arctic Monkeys の1stアルバム “Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not” の9曲目に収録されている曲。
内容サマリ – こんな内容が歌われてます
- 彼女の機嫌が悪くて、言い合いに
- “Mardy bum” は、すねている人のこと
曲はこちら – 聴きながら和訳を読もう
和訳してみた – 日本語訳はこちら
Mardy Bum – Arctic Monkeys
Whatever People Say I Am, That’s What I’m Not (2006)
注釈 I.
- [間投] now then: さて、ほらほら.
- [名] mardy bum: すねた人.
- [名] frown: しかめっ面.
- [名] barrel: 銃身.
- [動] go off: (爆弾などが) 爆発する,発射する.
- [形] pleasant: 愉快な,楽しい.
注釈 II.
- [名] cuddle: 抱きしめること.
- [句] get (something) off the ground: 順調にスタートさせる,軌道に乗せる.
- [形] argumentative: 議論がましい,理屈っぽい.
注釈 III.
- [名] mardy bum: すねた人.
- [句動] pull (someone’s) face: 顔を歪める,しかめっ面をする.
注釈 IV.
- [名] cuddle: 抱きしめること.
- [句] get (something) off the ground: 順調にスタートさせる,軌道に乗せる.
- [形] argumentative: 議論がましい,理屈っぽい.
注釈 V.
- [名] state: 状態,状況.
- [句動] not be arsed to do sth: do not want to make the effort to do sth. 〜をすることをがんばりたくない
- [名] debate: 討論.
- [動] reoccur: 再び起こる.
注釈 VI.
- [名] cuddle: 抱きしめること.
- [句] get (something) off the ground: 順調にスタートさせる,軌道に乗せる.
- [形] argumentative: 議論がましい,理屈っぽい.
解釈してみた – どういうこと?
和訳の中で解釈をしている部分について記しておきます。
Cuddles in the kitchen – キッチンでいちゃつく
#2 – 2行目
Remember cuddles in the kitchen, yeahキッチンでイチャイチャでハグしてたの思い出して
To get things off the ground仲良くやれてて
And it was up, up and away盛り上がれてたよね
- Cuddle とは、ここでは恋人同士がいちゃいちゃすること。(性的なニュアンスを含む)
- Cuddle = to put your arms around someone and hold them in a loving way, or (of two people) to hold each other close to show love or for comfort [4]
- 続く “to get things off the ground” は、「性的に盛り上がるために」、”and it was up, up and away” は 「それで、(性的に)盛り上がった」を意味します。
- 原文の文章表現が明示的でないので訳でも明示することを避けましたが、意味的には明示的です。
The traffic was a state – 道が混んでいた
#5 – 1行目
And, yeah, I’m sorry I was late遅刻してごめんってば
But I missed the train電車逃しちゃって
And then the traffic was a state道も渋滞してたんだ
- “The traffic was a state” は「道が混んでいた」という意味です。
- “state” は「状態」の意味。ここでは「道が状態であった」=「道が混んでいた」ことを指します。直前の late と韻を踏むために state という詞になっていると思われます。
- 一般的な表現ではありませんが、似た表現は多くあります。
- “It is a thing”, “Here is the thing”, etc.
精読してみた – 解釈の根拠
英語的な表現や文法事項のうち、面白いポイントを紹介します。
All these words come out. – 倒置
#1 – 5行目
And out come all these wordsたくさん言葉が出てくる
- “And All these words come out” の意。
- 強調のために、S+V が V+S の順になることがあります。→ “I’m tired.” “So am I.”
- 副詞が文頭に来ていたら倒置の可能性あり。副詞は主語にならない
- The Beatles の名曲 “Here comes the sun”も倒置。普通なら、”The sun comes here.” (Hereは副詞)
Side to you / Side of you – 同じ意味
#1 – 6行目
Oh, there’s a very pleasant side to youああ、キミにも愉快な一面があるのに
- “Side to you” は “Side of you” の意味。「キミの一面」のこと。
- 使用率は9:1程度で “Side of you” の方が多い[2]
It’s one that – “〜のやつ”
#2 – 1行目
Oh, there’s a very pleasant side to youああ、キミにも愉快な一面があるのに
A side I much prefer好きな方の一面
It’s one that laughs and jokes around冗談で笑い合っているみたいな
- One は、”A side I much prefer” = (自分が) 好きな方の一面のこと。
- 「冗談を言って笑っているような、僕が好きな方の、愉快な一面がキミはある」
I thought as much – やっぱりそうだと思った
#3 – 3行目
I thought as muchやっぱりそうだと思ったよ
- 慣用表現で「やはりそうだと思った」「やっぱりね」の意味。
- “You use as much in expressions such as ‘I thought as much’ and ‘I guessed as much’ after you have just been told something and you want to say that you already believed or expected it to be true.” [3]
おわりに
参考
- Cambridge Dictionary – frown
- Google Ngram Viewer – Side of him, Side to him
- Collins – as much
- Cambridge Dictionary – arsed
- Oxford Dictionary of English
- ウィズダム英和辞書